突沸しない”エバポレーター” USA-1000

研究用簡易霧化分離装置 USA-1000

研究用霧化分離装置USA-1000
USA-1000

USA-1000は、突沸の恐れがない、次世代の溶媒除去装置です。
ロータリー・エバポレーターの代替品としてお使い頂けます。

  1. 突沸しない
  2. 常温・常圧で濃縮できる
  3. 仕込み量の制約がない
  4. 液の追加や抜き取りも自由自在
  5. 容易に分解して洗浄できる

といった特徴を持ちます。

USA-1000は、“霧化分離”®を原理としています。

液体をミスト化(液体のままマイクロメートルサイズに液滴化)する際に、対象物質と溶媒を分離することの出来る画期的な装置です。

気化(蒸発・揮発・沸騰)ではなく、ミスト化というのがポイントです。

減圧加熱を必要としないため、ロータリーエバポレーターの弱点であった「突沸」が発生しません。

ロータリーエバポレーター同様に、溶媒の除去(留去)、分離、分散、濃縮、混合、吸収、反応、粒子分級などが、常温・常圧で行える、ラボ用の実験装置です。

USA-1000は、超音波振動子1個の簡易実験用で、小規模な研究にも利用可能な価格設定となっています。
レンタルでお試しも可能です。

ロータリーエバポレーターと比較した際の優位性

ロータリーエバポレーターの弱点 USA-1000の 訴求点
危険
突沸による事故の危険性
安全
常温・常圧でミスト化させるため、突沸が起こりえず、安全
要熟練

・突沸させずに効率良く蒸発させるためのちょうど良い減圧レベルを、作業者の熟練度に依拠

・突沸を防ぐために、溶媒ごとの沸点を参考にして減圧レベルを調整する必要がある

簡単

・作業者の熟練を要せず、スイッチオンでミスト化〜濃縮スタート

・突沸がないため、溶媒の沸点を気にする必要がない

突沸によりサンプルの亡失がありうる 突沸によるサンプルの亡失が起こりえない
貴重なサンプルを守る
減圧で蒸発を促進 常圧で濃縮できる
仕込み量が少ない 処理中に液の追加が可能。生産性がアップ
固形物があると処理出来ない 固形物OK!
沈殿物や浮遊物など、固形物があっても処理が可能!対象物の幅が広がる

霧化分離とは

霧化分離装置の分離原理

“霧化分離”®は、従来の蒸留法に代わる可能性を持つ、非加熱・省エネルギータイプの液体濃縮・分離技術です。

液体に 1.6MHz~2.4MHz の超音波を与えると“ミスト”が発生します。
生成したミストをサイクロンで分級し、溶媒のみ除去することで、蒸留法よりも低エネルギーかつ高効率で溶媒を濃縮・回収する事が可能なのです。

(「霧化分離方法と霧化分離装置」はナノミストテクノロジーズ(株)の特許技術です。)

» 霧化分離®の技術詳細

用途

有機化学実験の溶媒の除去(留去)、少量の廃溶剤のリサイクル、混合物の分離、低沸点溶媒の蒸留、抽出、物質の濃縮、紛体の乾燥、不活性ガス下での酸化成物質の蒸留

有用性が見込まれる分野

有機化学実験、製薬、香味および香水、化学、石油化学、農業産業

突沸(とっぷつ)とは

「突沸」とは、液体の温度を上げていく過程で起こる突然の沸騰のことです。(» コトバンク)

有機化学の分野では、有機合成反応などを行った後に、粗生成物を有機溶媒で抽出・分離します。
この有機溶媒を留去(除去)するためにロータリーエバポレーターを使います。

ロータリーエバポレーターとは、

  1. 液体を回転させて表面積を増やす
  2. 減圧して沸点を下げる
  3. 温度を上げて蒸留

を同時に行って、溶媒の蒸発・揮発を促進する装置のことです。(» Wikipedia)

ロータリーエバポレーターで減圧しすぎると、突沸で液が飛び散る危険をともなうのですが、突沸を恐れて減圧を弱めると溶媒が揮発しきらずに残ってしまいます。

溶媒除去における突沸は、長く有機化学研究者を悩ませてきた問題でした。

簡易式と標準式の2タイプ比較

“突沸しない”エバポレーターには、簡易タイプのUSA-1000と、フレキシブルな設定や回収が可能な標準タイプ L5の2種類の製品がございます。

研究用簡易霧化分離装置 USA-1000
簡易ラボ装置
USA-1000
研究用標準霧化分離装置 USA-L5
標準ラボ装置
L5
ヒーター 30〜60℃ 30〜70℃
※ シーズヒーター
(オプション)で90℃まで
定量ポンプ DC ポンプ × 2 ギアポンプ × 2
材質 SUS304/Glass FKM SUS316L/Glass/FKM
ミスト発生装置 含む 含む
ミスト発生方法 タンジェンシャル方式
ミスト発生部に対して 渦巻状のガスを送り、ミストを吹き去ります。
パラレル方式
ミスト発生部に対して 横殴り状のガスを送り、ミストを吹き飛ばします。
水位変更
超音波ヘルツ調整
ミスト量調整
ミスト量モニタリング
サイクロン遠心力調整
空気循環
ミスト回収

※オプション(専用凝縮器)にて可

凝縮器にて回収可能

チラー

※オプション(350W 等)

エアフロー制御

真空ポンプ

スケールアップ用
データー回収

※オプション

真空ポンプ

※オプション

ウオーターバス+ヒーター

※オプション

製粉ドライヤー+フィルター

※オプション

温度データ収集装置

※オプション

霧化槽に入る循環ガスの風量測定装置

※オプション

基本情報

製品名 USA-1000
仕様

霧化速度 150ml/hr(純水、霧化槽内温度50℃時)
溶媒除去能力 150mL/h以上(霧化槽内液温45度、純水の場合)
装置サイズ 本体 幅248mm x 高385mm x 奥行290mm
電源 AC100V 50-60Hz
接液部材質 SUS304、FKM、PTFE
基本構成
  • 超音波霧化槽[ステンレス製] (超音波振動子 1個)
  • サイクロン[ガラス製](気液分離用)
  • 送液ポンプ
  • 搬送エア用ファン
  • 温度計
制御項目
  • 搬送エア流量
  • 液流量
  • 液温度
  • 霧化槽液面高
オプション
  • 振動子:1.6 or 2.4MHz
  • ミスト回収用コンデンサー(凝縮器)
  • PSA回収装置 (純度を極限まで高めたい場合)
    ※ PSA = Pressure Swing Adsorption, 圧力変動吸着法
標準価格 1,600,000円(税別) ※レンタルでのご利用も可能です

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研究用霧化分離装置USA-1000
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